【RPGツクール】力をためてから強力なスキルを発動するボスの作り方【戦闘】

RPGのボス戦で次のような演出を見た事は無いでしょうか?

1ターン目→「魔王は大気中の魔力を集め、強力な魔法を放とうとしている!」

2ターン目→「魔王はメテオレインを放った!」

ボスが2ターンかけて主人公たちに大ダメージを与える、という演出ですね。

これは1ターン目で「ボスが強力な魔法を準備しているから次は防御した方が良い」というヒントになっています。

このヒントがあるのと無いのとで戦闘の難易度はかなり変ってくるでしょう。

今日はこのような演出をツクールで作ってみようと思います。

プラグイン無しで作れるので、デフォルト縛りでも安心ですよ!


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エネミーの行動パターンに注目せよ!

行動パターン01

今回ポイントとなる部分はエネミーの行動パターンです。

データベースの敵キャラの項目を開くと、使用してくるスキルを設定する場所があると思います。

ここが行動パターンを設定する箇所です。

設定する項目は「スキル」「条件」「レーティング」ですね。

簡単に説明すると次のようになります。

  • スキル    : そのエネミーが使用する技
  • 条件     : そのスキルが発動する条件
  • レーティング : 使用するスキルの優先度

今回はこの「条件」が重要になってきます。

行動パターンの空いている箇所をダブルクリックしてみましょう。

行動パターン02

戦闘行動を細かく設定する画面が出てきましたね。

ここで見てほしいのが条件です。

色々ありますね。

こちらも簡単に確認しておきましょう。

  • 常時    : 敵がそのスキルを使える状態ならずっと採用候補となる。
  • ターン   : 指定したターンが経過すると採用候補となる。
  • HP・MP  : 指定した範囲内になった時に採用候補となる。
  • ステート  : 指定したステート(異常状態)の時だけ採用候補となる。
  • レベル   : パーティの最大レベルが値を越えたら採用候補となる。
  • スイッチ  : 指定したスイッチがオンの時だけ採用候補となる。

少々ややこしいかもしれませんが、今回重要なのはこの中でステートだけです。

特定のステート(異常状態)になった時だけ、指定したスキルが次の行動の候補に挙がるというものですね。

通常は毒状態の時だけ解毒の魔法を使ってくる(候補に挙がる)という感じの使い方をすると思います。

しかし、このステートはバフ・デバフを絶対に設定しなきゃいけないのでしょうか?

何も設定していない、名前だけのステートがあっても良いのではないでしょうか?

そう、今回は中身がほぼ空っぽの名前だけのステートを作る事が最大のポイントなのです!

今回作りたいのは「力をためてから強力なスキルを発動するボスの演出」です。

今までの話からこれを実現させる方法は次の通りです。

  • ボスを「みなぎってきた」という中身のないステート状態にする
  • あらかじめ用意しておいた1000ダメージ与える技を上記ステートになったら発動させる

仕組みとしてはこれだけです。

説明だけでは理解しにくいかもしれませんので、実際に作りながら詳しく解説していきますね。

必要なのはスキルが2つとステートが1つ

この演出を作るのに必要なデータは主に表題にあるスキル2つとステートが1つです。

スキルはステートを付与する為のものと、大ダメージを与える必殺技の2つと考えてください。

まずステートを作っておきましょう。

空いている箇所に適当な名前のステートを作ります。

行動パターン03

アイコンなどは設定せず、そのまま解除条件の方に行きましょう。

「戦闘終了後に解除」と「行動制約によって解除」にチェックを入れておきます。

次に「自動解除のタイミング」を「行動終了後」に設定し、継続ターン数を1~1にしておきます。

これでステートはOKです。

次にこのステートを付与する為のスキルを作りましょう。

行動パターン04

スキル名は適当につけます。

範囲を使用者、命中タイプは必中に設定し、任意のアニメーションを設定します。

メッセージにはイメージに合う言葉を入力しておきましょう。

もし戦闘中にスキル名が表示されるようでしたら、このメッセージの1行目の部分をスキル名の所に入力しても良いと思います。

使用効果の所をダブルクリックし、先ほど作ったステートを100%付与するようにします。

これでステート付与用のスキルは完成です。

最後に大ダメージ用のスキルを用意します。

こちらは作者様のご都合や趣向に合わせて設定してください。

行動パターン05

今回はわかりやすいように1000ダメージで設定していきます。

これで下準備は完了です!


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条件を設定して敵の行動パターンを作ろう!

行動パターン08

では、敵の行動パターンを設定しましょう。

今回はこちらのスライム君に設定していきます。

まずはステートを付加するスキルを設定します。

条件は常時、レーティングは5にしてみます。

次に1000ダメージ与えるスキルを設定します。

こちらの条件は「ステート:みなぎってきた」に設定し、レーティングは最大の9にします(解説は後ほど)

これで完成です。

敵グループにスライム君を設定してテスト戦闘してみましょう。

いかがですか?

ちゃんと力をためた後に1000ダメージ技を使っていますね。

しかも、ずっと力をためるスキルや1000ダメージ技を使い続けるのではなく、通常攻撃もしています。

これで「力をためてから強力なスキルを発動するボス」が作れました。

ちょっとした解説と応用編

さて、先ほど何故1000ダメージスキルのレーティングを9にしたのか、疑問に思った方もいらっしゃるでしょう。

そもそもレーティングの仕組みがわからない、という方の為に私なりの解釈で説明したいと思います(間違っていたらごめんなさい!)

レーティング(優先度)について

行動パターン09

レーティングとはスキル発動の際の優先度の事です。

RPGツクールMVの仕様では、画像にあるヘルプのような仕組みになっているようです。

正直なところ、難しい事は私にもわかりません。

ただ、ここで重要なのは「レーティングの値が最高のものが基準」である事と「レーティングの差が2以内のものが実際に採用される行動」という部分です。

例えば次のような設定がされている敵がいるとしましょう。

行動パターン10

画像の場合、レーティングの値が最高なのは「1000ダメージ」の9です。

このスキルが基準となり、その基準とのレーティングの差が2以内のスキルが採用されるので、採用される行動は「レーティングが9・8・7」のスキルのみとなるわけです。

つまり、それ以外に設定されているスキルは採用されないという事です。

画像の場合は「1000ダメージ」のスキルだけを延々と使い続ける事になります。

条件は同じでもレーティングに差がある事で全く採用されない状態にできるわけですね。

今回作った「力をためてから強力なスキルを発動するボス」はこの仕組みを利用しています。

ステートが付与されている状態という、他のスキルと条件を変えたうえでレーティングを上げる。

こういう仕組みで今回の演出が作られているわけですね。

一応レーティングの差が3以上なら大丈夫なはずなのですが、誤爆防止の為あえて大幅に差をつけています。

コストがかかるスキルを設定する場合は要注意!

この仕組みを作る際、一つだけ注意点があります。

それはレーティングに差があったとしても、最大値のスキルが使用不可であった場合はスルーされるという事です。

例えばレーティング9のスキルのコストが「MP50」だったとしましょう。

今回のように力をためて、さあ次のスキルが発動!というタイミングで残りMPが50未満だったら当然スキルは発動できません。

この場合レーティング9のスキルはスルーされ、条件が満たされていて使用可能な行動が採用されてしまいます。

大技が来ると思ったらコストが足りなくて通常攻撃が来た、なんて事になりかねないわけです。

なので、この辺のバランスに関しては調整が必要かもしれません。

ちょっとした応用で様々な行動パターンが作れる

今回のスライム君は1000ダメージのスキルを常時使えるよう設定していました。

しかし、条件を変えれば他にも色々な行動をするボスを作る事が出来るんです。

例えばHPが0~30%の時に回復魔法を使うようにしたり、MPが0~0%の時にMP吸収系のスキルを使わせたり、主人公パーティーの最高レベルが90以上だったら逃げる等々。

設定次第では面白い行動をするボスができあがるので、是非試してみてくださいね。

それでは、今回はこれで٩( ‘’ω’’ )و